PDF：Portable Document Formatはアドビ システムズ社によって1993年に開発された汎用書類形式です。

●WindowsとMacの間でファイルのやり取りに便利
異なるプラットフォーム間で書類の見た目（レイアウト）を維持したままやり取りしたいとき、PDFに変換しておけばそれが可能になります。WindowsとMac間では、たとえ同じソフト（例えばワードなど）を使ったしても、Fontの有無の問題などでレイアウトが崩れてしまいます。PDFならFontを埋め込むことでレイアウトの崩れを最小限にすることができます。

●Mac OS Xには、OSレベルでPDFに対応し、PDF作成機能が付いています。しかし、標準のWindowsにはPDF作成機能どころか、表示機能さえありません。そこで使い勝手の良い（自分が）Windows向けPDFツールを集めてみました。

■PDFビューワー
●アドビリーダー（旧名：アクロバットリーダー）：
http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/readstep2.html
フリーウェア
アクロバットリーダーの別な用途：同じAdobe社のラスター画像ソフト・イラストレーターはPDF形式で保存が可能です。しかし、イラストレーターの通常保存形式はaiファイルで、イラストレーターが入っていないPC環境でこのaiファイルを渡されてしまい、開くことができなくて困った…という話をよく耳にします。そんな時はアクロバットリーダーで開いてみましょう。イラストレーターのバージョン9以降のフォーマットで作成されたai ファイルやepsファイルならアクロバットリーダーで開くことができます。出先でのネットブックなどでは内容の確認だけでも重宝します。
注意点：バージョン9以降のフォーマットであっても、ファイル保存時にPDF互換を外したものは駄目です。

■PDF作成 ●クセロPDF：http://xelo.jp/xelopdf/index.html
フリーウェア（インストール時にクセロのWebページ上で氏名やメールアドレスなどを登録して入手できる無料のシリアル番号が必要）現在終了しています。下記「2009年追記：」参照。
対応OS：Windows2000/XP
PDF生成プリンタドライバタイプ、Mac OS Xの「プレビュー」のように印刷ダイアログから、「クセロPDF」を選んで作成できます。

2006/12/7　(株)クセロは、製品版の「瞬間PDF」(価格2800円)を「瞬間PDF ZERO」という名称で無償化することを発表しました。
12/18からダウンロードできるようです。

2006/12/21 「瞬間PDF ZERO」をDLして試してみました。
前のクセロPDFに比べて明らかに多機能になっています。 前のクセロPDFに比べて明らかに多機能になっています。
PDFの結合、分割、ページ抽出、テキスト抽出、セキュリティ設定等が可能です。フォントの埋め込みの有無、サブセットの割合等も設定できます。
注意：　クセロPDFと同様で、使用は無償ですが、ユーザ登録してメールで送られてくるシリアル番号が、インストール時に必要です。 「瞬間PDF ZERO」ダウンロードページ

2009年：発行元の株式会社クセロの事業譲渡により、2009/07/17全てのフリーソフトの配布および、シリアル番号の発行を終了しています。

●PrimoPDF： http://www.primopdf.com/
フリーウェア
対応OS：Windows98/ME/NT/2000/XP/Vista
MS .NET Framework2.0以上が必要。
クセロPDFと同様のPDF生成プリンタドライバタイプ

■PDF編集
●iTextFront： http://www.ujihara.jp/iTextFront/ja/
フリーウェア
対応OS：Windows95/98/ME/NT/2000/XP（Microsoft VMが必要）
できること：
･ PDF の結合
･ PDF の一部ページの抽出
･ PDF の暗号化
･ JPEG、PNG、BMP、 GIF (非圧縮), PSDなどのイメージファイルの PDF化
･ プレーンテキストのPDF化
･ PDF への透かしの追加

●ConcatPDF：http://www.ujihara.jp/ConcatPDF/ja/
フリーウェア
対応OS：Windows98/ME/NT/2000/XP/Vista　（ .NET Framework 1.1 再頒布可能パッケージ　 Visual J# .NET Version 1.1 再頒布可能パッケージが必要）
･ PDF の結合
･ PDF の一部ページの抽出
･ PDF の暗号化
･ PDF の暗号化解除 (マスタパスワード必要)
･ PDF の表示法の設定

2009/09
クセロなどで作成したPDFは、バージョンの低いイラストレーターで編集しようとすると、文字化けしてしまい、バージョンの高いイラストレーターでは、テキストがすべてアウトライン化されてしまい、使い物にならないといったことが多いですが、ちょっとした注釈、コメント、装飾を付加するだけなら、以下のフリーウェアで、文字化け無く、簡単に実現できます。
●PDF-Xchange Viewe：http://www.docu-track.com/　フリーウェア
窓の杜紹介ページ：http://www.forest.impress.co.jp/lib/offc/document/pdf/pdfxchange.html
Adobe Readerよりもずっと軽快に表示してくれるビューワーです。加えて、コメント、注釈などのテキストを装飾付きで追加、元のテキストにカラーの下線、打ち消し線、バック色などを追加するなどして保存できます。また、テキストをコピーし、他のソフトへペーストも可能です。
このソフトはインストールの際、最初に使用言語を聞いてきますので、「Japanese」を選びます。しかし、ソフトを起動すると英語表示になってしまいます。[Edit]→[Preferencs]からPreferencsダイアログの[Categories]内[Languages]を選び、右列を見ます。[Use…Default Language(English)]がチェックされているので、これを[Set users Default Regional Settings(Japanse)]に変更します。下方の[Apply]ボタンを押します。日本語表示に切り替わります。

ちなみに、Macで同様に働いてくれるフリーウェアとしては、Skimというのがあります。
Skimのダウンロードページ：http://skim-app.sourceforge.net/

2009/09
●その他、PDFを作成するフリーのソフトとしては、OpenOffice.orgがあります。
OpenOffice.orgのダウンロードページ：http://www.openoffice.org
ワードやエクセルのファイルをOpenOffice.orgで開き、[ファイル]→[PDFファイルとしてエクスポート]で保存します。Linux版の他、Windows版、Mac版（ppc用、intel用）、Solaris版などがあります。

2010/11
●iPhone、iPad、iPod touchでpdfを活用される方が多くなってきました。以前はpdfビューワappが必要でしたが、iOS4になってから純正で無料ののiBooks.appが利用できるようになり、ますます簡単で便利になりました。Macの場合、画像付きリッチテキストファイルrtfdを持ち歩きたい場合も簡単にpdfに変換できるのでさらに便利です。→Macでrtfdをpdfに変換する方法はこちらから

ここでは、pdfをiPhone、iPad、iPod touchに保存する簡単な方法のみを記しておきます。
必要な環境は、iBooks 、 iTunes 9.2 以降、iOS 4 以降。

1. iPhone、iPad、 iPod touchをMacにつないでiTunes が立ち上がった状態で、左側の「デバイス」リストからiPhone、iPad、 iPod touch を選択します。
2. 「ブック」を選びます。
3. 「ブック」の一覧が表示されますので、そこへ保存したいpdfをドラッグします。単に保存するだけならこれで終わりです。

2010/11
●FoxitJapanが、プリンタドライバ型のPDF作成ソフト Foxit PDF Creator v3.0をリリースしました。
http://www.foxitsoftware.com/japan/products/creator/downloads.php

• オプション設定でヘッダ/フッタ、電子透かし、ドキュメント情報の追加（メタデータの設定や、フォントの埋め込み）、さらにセキュリティ設定（利用制限機能）も可能。
• 動作環境：
  Windows 7/Vista/XP用（32 bit または 64 bit）。Pentium 2 以降の CPU。32MB 以上のメモリ
• 無償で利用期間は3ヶ月間。その後はアンインストールして、再インストールすれば、さらに3ヶ月間利用可能。

●なお、PDFの閲覧には、同社が、5段階のセキュリティが設定できる安全性を高めた無償のFoxit J-Readerを出しています。
http://www.foxitsoftware.com/japan/products/reader/reader.php